2017-10

★ こばと+ねこの王国=新たな船出Ⅱ だゾ ★ - 2010.12.30 Thu


今日も今日とて……。

こばとを★たまご倶楽部★から除名する……それを告げた後の二人の反応は、タマゴの予想と寸分違わぬものだった。呆然と言葉を詰まらせて泣き出しそうな真桜と、唇をきつく結んで鋭くタマゴを見上げるこばと……。ややあって、

本気?

タ 「こんなこと冗談で言わないよ」
こ 「でもッ……なんでこんな急に……」
タ 「急にじゃない……前からそうしようとは思ってたんだ……」
こ 「だから……なんでそんな事をッ」
タ 「それは……」

口を開きかけ、それからタマゴは首を横に振った。
★たまご倶楽部★は元々タマゴが好き勝手にやる為だけに創設された商会……いや、商会と呼ぶことすらおこがましいかもしれない。
そんな名ばかりの商会では、今のこばとの居場所としては小さすぎる。こばとにはもっと大きな、多くの仲間達に囲まれた環境で、もっともっと強く、自由に羽ばたいてほしい。そういう環境でしか得られない日々がきっと待っているはずだから。

しかし、それを告げたところでこばとはきっと納得しないだろう。新しい環境の中に飛び込むのは誰だって不安で怖いものだ。だからこそ……、

タ 「はぁ……じぁ、ホントの事を教えてあげる」

溜息を漏らし、タマゴは冷めた視線をこばとと真桜に向けた。

タ 「もう、家族ごっこには飽きちゃったんだよね。元々気まぐれで拾った餓鬼二人、私の足枷になりこそすれ、得になることなんかありゃしない。だからもういいやって。二人もいっぺんにダークさんに押し付けるのも悪いから今はこばとだけだけど、いずれ真桜も移すからさ、二人で仲良くやってきな」
こ 「……………………」
タ 「私はこれから冒険に出かけてくる……除名手続きはしていくから、戻ってくるまでに商館にある荷物を纏めて出て行ってね」

こばとは何も答えない……ただ、唇を噛み締めてタマゴを見つめるだけで。その真っ直ぐに向けられた視線を受け止める事が出来ずに、タマゴは二人に背を向けた。

タ 「行くよ、ピエール君」

そう言って歩き出したタマゴに、こばとも真桜ももう声を掛けようとはしなかった……






お互い何も喋らずに、こばとも真桜も膝を抱えて地面に座り込んでいた。人混み外れた路地裏……かつての自分達の居場所……。

ピ 「やっぱりここに居たか」
こ 「……ピエール君……」

不意に声を掛けられ、顔を上げるとそこにピエールが一人で立っていた。タマゴの姿はない。

ピ 「辛いとき、悲しいとき、お前はいつもここに来るからな……」

放っておいてっ

こ 「……なにしに来たの? すぐに冒険に出るんでしょ?」
ピ 「ああ、出航の準備は出来ているが……その前にどうしてもこれだけは言っておきたくてな。船長は今でも、そしてこれからも君達の事をずっと大切に想っている」
こ 「そんな事……」

言われなくても判ってる。冷たく言い放っておきながら今にも泣き出しそうだったタマゴの瞳。今日までずっと一緒に居て、ずっとその背中を追いかけてきたのだ。ああ言わないとこばとが一歩も踏み出せないから、と……。
いつかはこんな日がくるのではないかと思っていた。否、そうしたい……【もっと大きな舞台】に出てみたいと思っている自分がいることに気が付いていた。
今、その夢が叶おうとしている。それでも……こばとが悔しかったのは……、

こ (……私は何もタマゴに返せていない……)

救われ、守られ、育ててもらった……。我儘を言って困らせた、イタズラをして困らせた、それでもタマゴはいつでも自分達の側にいてくれた。そんなタマゴに、このまま何もせずにお別れしていいのか? と、

あのね

それまでずっと黙っていた真桜が、こばとにそっと呟く。今、タマゴに対して自分達が出来る最大級の感謝の行動を。それはあまりにもシンプルで、それでいて何よりも今の自分達に相応しいことであった。

こ 「ピエール君……一つお願いがあるんだけど……」
ピ 「なんだ?」

真桜と顔を見合わせて微笑み、それからこばとはいつものいたずらっ子の表情でピエールに笑みを向けた。

こ 「急いで用意して欲しいものがあるの^-^」
ピ 「…………?」

…………………………………………
…………………………………………
…………………………………………

タマゴとピエールが冒険に出かけてすぐ、こばとと真桜もある場所へと船を向けた。これまでずっと目を背け、逃げてきた場所。

ナポリ近郊、カンパーニャ。

過去と決別しなければ、新たな一歩は踏み出せない。どんなにチカラをつけたといっても、心に巣食ったロッシの亡霊を討ち払うまでは……。

真 「こばとちゃん……」
こ 「大丈夫……」

真桜に手を握られ、そこでこばとは自分が震えていることにようやく気が付いた。
そして現れるロッシの亡霊……。

恐れるな

もうあの頃の自分とは違う。
仲間達の顔を、一緒に戦ってきてくれた船達の姿を、そして、タマゴの顔を……これまでの日々を思い返すと不思議と心が落ち着いた。手の震えはもう治まっていた。そして、

夢の終わり、未来の始まり……

心に巣食った亡霊が討ち払われたとき、それは二人にとっての本当の意味での自由を得たときであった。

真 「終わったね……」
こ 「うん……終わった。後は……」

タマゴが冒険から戻ってくるのを待つだけだ。

                          パート3に続く……

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タマゴ

Author:タマゴ
活動場所 B鯖 ヴェネチア
所属商会 ★たまご倶楽部★

冒険&収奪メインで航海中。最近は出番がめっきり少なくなってますww

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