2017-08

★ 我が名はピエール だゾⅣ ★ - 2010.12.04 Sat


今日も今日とて……。

タマゴ船長の副官として仕えるようになってから、私は船長と共に数多くの航海へと出るようになり、そこで私は多くの事を学んでいった。
航海に最も必要なモノ……。
それは冒険の知識などでもなく、操船の技術などでもなく、

この海は一人の力では渡れない……。

という、当たり前の【認識】だったのだ。そして、以前の私はその当たり前の認識すら持ち合わせていなかったのだと改めて思い知らされた。
その認識は、言い換えれば人と人とを結ぶ【信頼】と置き換えられるだろうか。
冒険・収奪ばかり特化した船長でも、苦手な事・出来ない事は多くある。その最たるが交易であり、また、自ら何かを作り出す能力だ。
そして、その苦手な能力をどうしても用いなければならないとき、どうするのか? そこに船長と私との大きな違いがあった。
自分の力では乗り越えられない壁にぶつかった時、船長のもとには必ず誰か現れて、共に新たな一歩を踏み出そうと力を貸してくれるのだ。
それは金で結ばれた取引などでは決してなく、見返りを求めるものでもなく【ただそうしたいから】という理由だけで。時には自らが損をすることだってあるはずだ。手を差し伸べても利益などはありはしない。

以前の私ならば、その行為を【くだらない】と一蹴していただろう。

しかし、人と人とを結ぶ信頼は、そのくだらない行為によってしか生まれない。そして、その信頼なくして、この海は渡れないのだ。
助け・助けられ、広がってく世界……。

集合


そんな信頼で結ばれた仲間を、以前の私は一人ももっていなかった。それは同じ航海者に対してだけではない。船員に対してもそうだ。
雇い主と雇われた者。船長と船員の立場などそれ以上でもそれ以下でもない、と。もしそこに信頼というファクターがあれば……たった一人だけでもいい、私を仲間だと思ってくれる船員がいたならば、あの裏切りは防げたのではないか? 
自分の優秀さをひけらかして誰彼を見下すのではなく、共に世界を見に行こうと手を差し伸べる事ができていたのなら……。

過ぎた過去はもう取り戻せない。だが、やり直す事はいつだって出来るのだ。
いつの日か、そんな当たり前の事が当たり前にできるようになるために……私は今も、船長と共にこの広大な海へと出る……。





窓の外で沈み始めた夕日が室内にオレンジ色の光を差し込み、

ピ 「今日はなかなか戻ってこないな……」

いつもならば腹が空けば何食わぬ顔で戻ってくるのだが。
私は懐中時計に手を伸ばしかけて止め、やれやれと溜息を付いた。洋上生活が多いおかげで潮風に当てられ、前回の航海のときから針が止まったままになっている。

それから私は、手持ち無沙汰になった手で一通の手紙を取り出した。
それは祖国フランスでも名の知れた冒険者から私に宛てられた一通の手紙であった。その内容はなんてことのない、いわゆるスカウトというやつだ。どうやら私の持っている言語力がこれからの冒険に必要になるとのことで、一緒に世界を見て回らないかという誘いだ。

提示された条件は今よりも遥かに高く、冒険家として名を馳せている彼との航海には少なからず惹かれる思いもある。
そう、私は今、非常に迷っている。
船長の下に残るのか、それとも彼と共に新たな世界に出てみるのかを。
元々私は冒険メインの知識が高く、船長の好きな海事ではあまり役に立つことは少ない。特に最近では【アパの住人】や【ブログの突っ込み役】などと言われる有様……それに加えて船長のあの性格だ。この先、冒険メインで活動することなどないだろう。しかし、私の能力を必要としてくれる者が別にいるのならば……。

元々航海に関しては優れた人である……このまま私が船長と共にいることが、双方にとっていいことなのか、という思いは前から抱いていた。なにより、

ピ (船長は副官としての私をどうおもっているのだろうか……?)

無駄遣いばかりするなだとか、すぐに嘘を付いて話しを誤魔化すなだとか、弱いくせにポーカーに熱くなりすぎるなだとか、沈没船引き上げの時に変な歌を歌うなだとか、駱駝に乗せてもらえない悔しさを私にぶつけるなだとか……事あるごとに口煩い私を。
考えれば考えるほど……今の船長にとって私は必要ない存在なのでは……? そんな心配が脳裏を掠めたその時、不意にアパのチャイムが来訪者の到来を告げた。

黒 「こんちゃース!! 黒猫宅急便です~」

宅急便? また船長がくだらない玩具でも買ったのか? とりあえず預かっておくか、と玄関を開け荷物を受け取り……、

ピ 「私宛?」

私は訝しげに手渡されたその包みを見つめた。何か物を買った覚えもなく、それどころか差出人すら書かれていない。だが、間違いなくそれは私に宛てられたモノであった。
一体誰から……?
不審に思いながらも包みを開け、

ピ 「……………………」

私は「まったく……」と首を横に振り、それから静かに笑みを浮かべた。包みの中に入っていたもの、それは真新しいピューリタンハットと見事な細工の施された懐中時計……。そして、

いつもありがとう!!
我儘ばっかりでゴメンね^-^:
これからもよろしく♪


短くそれだけ書かれたメッセージカード。
まったく何が「今日は焼肉の日だっけ?」だ!! 普段はボケッとしてばかりのくせに、こういうときばかり抜かりがないなんて……これでは他のスカウトなど受けられるはずないではないか!!

それから、私は真新しい帽子を被り船長のデスクへと戻ると、

ピエール君

私からも用意していた包みを載せた。
以前にバザーで見かけて今日の為にと買っておいたものだが、なんでもそのお守りを身につけていれば収奪運が上がるとかいう代物らしい……その効果は実践で試してもらうことにしよう。

それから私は書置きを残し、

明日の朝、東南アジアに向けて出航します。くれぐれも寝過ごさぬように!! それから寝る前にはしっかりと歯磨きをお忘れなく!! 洋上で歯が痛いとか言っても聞きませんからそのつもりで。
追伸・
帽子と懐中時計、ありがとうございます。大切に使わせていただきます。
                             
                         貴女の優秀なる副官、ピエール。


明日からの出航に備えて早めの休息をとるべく、アパを後にしたのであった。


私の名はピエール。タマゴ船長に仕える優秀なる副官である。
いつの日か、私も船長としてこの広大な海にでるときがくるだろう。だが……その物語はもう少し先の事だ……。

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んん?

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Author:タマゴ
活動場所 B鯖 ヴェネチア
所属商会 ★たまご倶楽部★

冒険&収奪メインで航海中。最近は出番がめっきり少なくなってますww

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