2017-05

★ 真桜ちゃんの日常Ⅲ だゾ ★ - 2014.05.14 Wed


今日も今日とて……。


 突如として現れたガーネットは、真桜ちゃんに向けた険しい視線をおさめ、タベラ枢機卿に向かって恭しく頭を下げた。危険はないと察したのかタベラ枢機卿も駆け寄ろうとする衛兵を手で制している。

ガ 「厳粛なる王宮にて声を荒げた事、まずはお詫び申し上げる」

 本来なら即刻衛兵に抑えつられてもおかしくない振る舞いであるが、その状況を逃れられたのは王宮への出入りも多く鍛冶師としての信頼を得ているからか。

枢 「して、いかなる用かな? 今我々はこの者と大事な話をしている最中なのだが」
ガ 「お聞きしたいのはそのことです! 今しがた依頼の品を届けに上がった際、私は耳を疑う話を聞きました。聞けば、師長推薦により、この者を宮廷付鍛冶師として迎え入れる、と! しかも後の鍛冶師長のポストまで与えるおつもりだとか!」

 話の核に自分がいるのは間違いない。が、望んでここにいるわけでもないのに何とも居心地の悪さを真桜ちゃんは感じていた。ガーネットが真桜ちゃんに与えられた話を快く思っていないのはその態度から疑う余地はない。
 とはいえ、真桜ちゃんにもガーネットの気持ちは理解できた。
 代々イスパニアの為に尽力してきた名門鍛冶工房の者にとって、なんの実績もない小娘が宮廷付鍛冶師として迎え入れられ、しかも師長のポストまで用意されていると聞けば面白くはないだろう。

枢 「真実だとしたら?」
ガ 「納得できません!」

 穏やかに肯定する枢機卿に、ガーネットがすかさず反論する。一国のトップに対して決して引かないこの激情。それだけ真桜ちゃんの存在がガーネットにとって好まざるということでもある。

かえりたい

 困ったように立ち尽くすしかない真桜ちゃんであったが・・・・





 真桜ちゃんがアパに戻ってきたのはそれから二時間後・・・呼び出しの内容をタマゴに説明し、ようやく一心地ついたところである。

えっ

タ 「・・・どっちが宮廷付鍛冶師になるかを賭けて勝負することになった!?」
真 「えーと・・・なんかそういう話になってしまいました^-^:」

 そうなのである。
 あれから真桜の宮廷付鍛冶師への推薦を反対し続けたガーネットに対し、枢機卿はおもむろにこう尋ねたのだ。

枢 「君は真桜が宮廷付鍛冶師に選ばれたのが気に入らないのかね? それとも【自分が選ばれず、真桜が選ばれた事】が気に入らないのかね?」
ガ 「・・・・・ッ!」

 ガーネットは真桜ちゃんの宮廷入りを反対する理由として、その【素養】を上げ続けた。元ストリートチルドレンにして、セビリア襲撃花火事件を起こした一人。しかも商会会長とは名ばかりで、イスパニアに対する貢献などありはしない。そんな者が名誉ある宮廷付鍛冶師になるなどあってはならない、と。

 しかし、そんなガーネットの言葉を枢機卿の一言が両断したのだ。

 ガーネットが真桜を拒む理由。その理由が前者にあるのは間違いないだろう。しかし、それはガーネットにとって都合のいい理由づけにしかない事を枢機卿は見抜いていた。
 イスパニアに対する祖国愛と、自分の力に対するプライド。それがガーネットが真桜を拒むもっとも大きな理由なのだ。
 どうして自分ではなく真桜なのだ、と。自分の方が選ばれるのに相応しいチカラを持っているではないか、と。
 その本心を隠しての否定など、枢機卿にとってはただの戯言。だから問い掛け、ガーネットの本心をさらけさせたのだ。

枢 「私は私の信じている師長の目を信じている。だから師長が真桜を宮廷鍛冶師に迎え入れたいと申し出ればそれを断る理由はない。だが・・・」

本心を見透かされ、口を閉ざしていたガーネットに枢機卿は続けた。

枢 「そなたのイスパニアに対する貢献・想いに対して感謝しているのも間違いはない。だからこういうのはどうだろうか? どちらがより宮廷付鍛冶師に選ばれるに相応しい技術を有しているか、その技術を競ってみるというのは」

 まさに思いもがけない提案である。
 しかし、ガーネットにとってそれはまさに自分のチカラを証明する、願ってもないチャンスであった。

 招致


枢 「期間は三日。各々の技術を示す一品を提示し、その技量を比べるとしよう」

 と、話の流れはそういうことである。

 ・・・・・
 ・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

タ 「で、真桜ちゃんはその勝負に真っ向勝負で受けてやると啖呵をきったわけだね^^」

いってません

タ 「でも、勝負は受けるんでしょ?」

 正直、真桜ちゃんにとって宮廷鍛冶師入りを賭けた勝負になど興味はなかった。が、本当に自分にはみんなが認めてくれるほどのチカラがあるのだろうか? それを確かめてみたいという気持ちはあった。
 それは少なからず、暗闇から抜け出させてくれたタマゴへの恩返しにもなっているのではないだろうか、と。

真 「タマゴさんは私が宮廷付鍛冶師になれたら嬉しいですか?」
タ 「嬉しいに決まってるじゃない!」

 即答し、タマゴが続ける。

タ 「真桜ちゃんが宮廷付鍛冶師になれば・・・」

身内として宮廷に出入り→そこで素敵な貴族に見染められる→見事な玉の輿人生!

タ 「なんと素晴らしい!!」
真 「^-^:」

 しかし、タマゴのその嬉しそうな顔が、本心を隠している時の顔だという事を、真桜ちゃんは知っている。その本心がなんであるのかまでは判らないが・・・。

真 「判りました。結果はどうなるか判らないけど・・・精一杯頑張ってみますね^^」

 期間は三日。
 この三日で自分に出来る事をすべて出そう。そう決意し、真桜ちゃんは早速アパを改造して作った工房へと入っていくのであった。

                             続く

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