2017-08

★ タマゴファミリー誕生秘話だゾ(完結) ★ - 2010.10.14 Thu

今日も今日とて……。

最高速度でセビリア→ナポリに急行したタマゴ一行……。船員達の不眠不休の働きにより有り得ない速度でナポリに到着するも、その航路でロッシ一味を捕えることは出来なかった。

ピ 「船長……いま出航所役人から話しを聞きましたが、どうやら半日ほど前に不審船が港の外れに停泊していたとのことです。今は姿を消しているそうですが、おそらくそれがロッシ一味の船かと」
タ (半日……か……)

船員に無理をさせてしまったとはいえ、間に合わなかったか、とタマゴは唇を噛み締めた。コレほどまでの手間と金をかけて連れ戻そうとしたのだ、殺したりはしないはずだが、無事ということもないだろう。もう二度と逃げ出そうなどと考えられない仕打ちを与えていてもおかしくない。

タ 「みんな、私の無理を聞いてくれてありがとう。私が戻るまでコレで疲れを癒して!! 遠慮は禁止、飛び切り最上級の酒と飯をたらふく食べてねッ」

タマゴが投げた財布を受け取り、船員達が両手を挙げて歓声を上げる。その声に片手を上げて応えながら、タマゴはピエールに頷いて見せた。
ここから先はホームである海とは違う陸のアウェイ……それでもタマゴに不安などなかった。伊達に七つの海を越えて航海し続け、その度に生きて帰還しているわけではない。

タ 「さぁ……行こうか」
ピ 「お供します」

歩き出した先、ナポリ近郊を抜けてやがてカンパーニャ地方へ……。古代から眠る遺跡の跡を見つめながら、タマゴはロッシのアジトを探し続け、やがてその手掛りと遭遇した。こんな場所にいる山賊など、ロッシの手下以外にいるはずもない。
タマゴは無言のままロッシ一味に近づき、

お頭は?

味 「はぁ? なんだお前?」
タ 「あれ……言葉が通じなかったかな? お頭は何処にいるかって聞いてるんだけど?」

にこやかに話しかけるタマゴに、一味がやれやれといった面持ちで首を横に振る。タマゴの性別と年齢に、駆け出しの冒険者か何かかと思っているのだろう。

味 「テメェがお頭になんの用があるかしらねぇが……そんなに場所を聞きたきゃ十万Dもってこいや。そうしたら教えてやってもいいぜ……それとも金がねぇならお前の……………………」

          !!!!!!!!!!!

タ 「……やれやれ、どうやらこの人には言葉が通じなかったらしいね」
ピ 「そのようですね」

血の海に横たわり、動かなくなった骸に一瞥をくれると、タマゴは何事もなかったかのように再び歩き出したのであった。






これだけ広い場所の中からロッシのアジトを探し出すのは困難な事ではある……が、コチラは歴史に埋もれた遺跡の数々をこの手で発掘してきた冒険者である。ほどなくして、ロッシのアジトと思しき廃屋がタマゴの目に止まった。

タ 「戦闘になったらピエール君は安全な場所に……」
ピ 「お一人でよろしいのですか?」
タ 「ふふ……君は誰にモノを言っているのかな^-^」
ピ 「それもそうですね。私がいても邪魔になるだけでしょうから、お言葉に甘えて見物させていただきます」

適材適所、ピエールの役割は戦いにあらず……ピエールが一歩退くのを待ってから、タマゴは廃屋へと歩き出し、

タ 「お邪魔しまーす」

腐りかけたドアを蹴破ると、廃屋の中へと足を踏み入れた。
中に居たのは五人……突然の来訪者に一瞬呆然としながらも、そこはこの辺り一体を占める山賊である。すぐに各々武器を手に取ると、つかつかと中に入り込んだタマゴを取り囲むように輪を作る。そして、

ロ 「人の城のドアを蹴破って入ってきといてお茶をご馳走になりにきました……って訳じゃねぇよなぁ。誰だ、お前?」

警戒しながらも、その男の口調には余裕が窺える。奴がロッシ、か。確かに他の連中とは違い、修羅場を潜り抜けてきた殺気を窺わせる。が、タマゴはその言葉を無視して、廃屋の隅に目を止めた。身を寄り添わせながら蹲る二人の姿に……。
生きていた……その事に安堵しながらも、ドス黒い感情が一瞬にして沸き上がっていく。二人の身体に残るひ生々しい傷痕……。
タマゴに向けた虚ろな視線が、どうしてお前がココに? と問いかけ、

味 「オイコラァ、お頭の質問にこたえねぇかッ!!」
タ 「ちょっと黙ってろ」

一閃。
武器を振り上げて踊りかかった手下を素早く切り捨て、タマゴは冷たい笑みをロッシに向けたのだった。

タ 「どうせ死ぬんだ。私が誰なのか聞いても意味ないだろう? それとも冥土の土産に私のサインでも欲しいのか?」
ロ 「小娘が……」

吐き捨て、ロッシが目配せをして手下と共に外に飛び出す。小娘と余裕をかましていた表情から一転、この一瞬のやり取りでその余裕を打ち消すとはなかなかどうして、お頭を名乗るだけのことはある。外に出たのもどうやら屋内戦はお好きではないようだが、まぁ、どちらでも構うまい。

タ 「そこでじっとしてな」

それだけを二人に言い残し、

VSロッシ一味

外に出たタマゴに、ロッシ一味が襲い掛かる。
多勢なら負けることはないと思ったのか……しかし、襲い掛かるロッシ一味の表情は次第に驚愕へと変わり、

タ 「残りはお前一人だ……ロッシ」
ロ 「ま、待ってくれ……何故俺を狙うッ!! 金かッ? 金が欲しいならコレを持っていけ……」

懐から取り出した金袋を差し出し命乞いをするロッシから、タマゴはその金袋を受け取った。ずしりと重い金袋の中身は人売買で儲けた金か。

ロ 「それだけの金があれぱ当分遊んで暮らせるぞ……だから……」
タ 「だから命だけは助けてくれ? 確かにこれは大金みたいだね。ホントに貰っていい?」

ニコリと笑うタマゴにロッシが何度も頷き、

タ 「それじゃ遠慮なくこのお金は貰っていくね^-^ だからといってお前を助けたりはしないけど」
ロ 「そ、そんな……」

振り下ろした愛斧によって無様に息絶えたロッシを見下ろしたタマゴに、ピエールが歩み寄ってくる。

ピ 「お疲れ様でした」
タ 「ん。別に疲れるほどでもなかったけどね」

差し出されたハンカチで返り血を拭き、タマゴは廃屋の方へと視線を向けた。そこにヨロヨロと立った二人の姿が。あの子達の目には自分の姿はどう映っているのだろうか?タマゴの手によってロッシはもうこの世からいなくなった。それは自由を得たということなのか? それとも、別のロッシが現れただけと思っているだけなのか?

彼女達の過去を思えば、後者と考えているだろう……。
その不安を一秒でも早く拭ってあげたくて、タマゴは手にした金袋を二人に向かって力いっぱいに投げ、

タ 「ロッシはもう死んだ。君達はもう自由だ……これからは好きに生きればいい」

それだけを言って背を向けたのだった。

ピ 「…………?」
タ 「…………なに?」
ピ 「いえ……私はてっきり……」

あの子達を保護する……と言い出すと思っていたのだろう。助けるだけ助けて、あとは知らん顔……それでは何の為にここまできたのだ、ピエールの顔がそう言っている。確かにロッシは死に、彼女達は自由を得た。が、年端もいかぬ子供が一時の自由を得てもこの世界で真っ当に生きていくのは至難の業だ。
それにも関わらず、タマゴは二人に背を向けようとしている。

タ (……私に出来るのはココまでだよ……あとは君達次第だ……)

本当に何かを変えたいと思うなら……自分の手で誰かを守りたいと思うなら……自由への閉ざされた扉の鍵はタマゴでも壊すことはできる。しかし、その扉を開けるのは……、

? 「ま、待ってッ!!」

歩き出したタマゴに向かって、か細い……でも何かを決意した声が呼び止める。二人から見ればタマゴは正体も判らない存在だ。ロッシと同じ穴の貉かも知れない……それでも目の前で見せ付けられたチカラ。

人生はいつだって不公平だ……それでも、その不公平の中には誰にも等しく平等に自由へ通じる扉はあるのだ。勇気を出して、その扉に手を伸ばすことさえできれば……。

生きる力

振り向いたタマゴに向けられたその言葉……助けてくださいでもなく、守ってくださいでもなく、【生き方を教えてください】とはなんと今の彼女達に相応しい言葉だろうか。

タ (その言葉を待っていたんだよ……)

この子達ならばきっと……この心の穴を埋めてくれる。そのために、自分が持っている全てを教えよう。だから、

君が望むなら……

そう呟いたタマゴに向かって二人が一歩を踏み出し、タマゴはそっと二人の頬に手を添えたのだった。

タ 「でもその前に……私の名前はタマゴ……君達の名前を教えてくれるかな^-^?」

ここから始まる新たなストーリーは、自由へ向けてのスタートラインなのだから……。



                  そして時は流れ……

タ 「そういえばさぁ……こばと、なんでそんな服なんか着てるの?」
こ 「何でって……」

タマゴが言っているのはこばとの着ているスクールトガリーヌの事である。海事ばかりして学校以外では冒険なんてろくにしなかったというのに。

装甲のため

結局海事の為か^-^ こばとの今の冒険レベルは33。装甲戦列に乗るには冒険36が必要なのだ。って、それにしてももう装甲戦列を視野に入れて冒険しているとは……^-^

こ 「…………な、なにジロジロ見てるのよッ」
タ 「別に~冒険仕様のこばとちゃんもかぁ~~いいなぁと思って^-^」
こ 「その言い方……絶対馬鹿にしてるよねッ!!」

キリッとタマゴを睨み付け、それからこばとは勢い良く立ち上がった。

真 「こばとちゃん……もう出掛けるの?」
こ 「うん。ギルドの依頼でリューベックまで行かないと。なんか珍しい美術品があるから調べてくれって」
真 「そうなんだ……気をつけてね」
こ 「判ってるって」

真桜に手を振り、それからこばとはタマゴに向かってべぇッと下を出すと駆け出していく。その後ろ姿に向かって、

タ 「ねぇ、こばと?」
こ 「なによッ?」
タ 「何かを守るって言うのは大変だよね^-^」

左手をヒラヒラと振ったタマゴのその問いかけに、こばとは一瞬足を止めてから、

こ 「知らないッ」

それだけを言い残して外に飛び出していくのであった。そんなこばとの態度に、タマゴは真桜と顔を合わせて笑みを浮かべ、

タ 「やれやれ……ウチの子猫ちゃんは今日も照れ屋ですなぁ」
マ 「子猫ちゃん? こばとちゃんじゃなくて?」

お茶のお代わりを運んできたマリアちゃんが不思議そうに首をかしげ、タマゴと真桜はもう一度吹き出すのであった。


                                      Fin


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● COMMENT ●

完結です

一回で終わるはずが二回になり……三回になり……四話にしてようやく完結^-^: 長々とお付き合いしてくださった方々、ありがとうございます。タマゴファミリーの誕生秘話、如何だったでしょうか?

辛い過去があるから乗り越えられる未来がある……もしも彼女達と世界のどこかで出会うことがあったなら、温かい声援を送ってもらえたら幸いです^-^

というか、中途半端に伏せられたままになっているタマゴの過去……それが明らかになるときはくるのでしょうッ!?ww

こばとちゃ~~~ん><

君のかわいい笑顔の下には、
こんなにつらい過去があったのね;;

でも、そんな過去を乗り越えて、
今をしっかりと生きている・・・

素敵な大人の女性に成長するまで、
いつも応援してますよ!!!
(あ。でも身長はそのままでね^-^)

続きがたのしみw

お疲れ様でした^^
楽しく読ませてもらいましたw
タマゴさんが生き方を教えたからこばとちゃんは大砲軍人を目指しながらも収奪しちゃうわけですねw
家族になったのがタマゴさんが海事ばっかりしてるときだったので冒険はあまりしないと^^

はっ 真桜ちゃんも交易といいつつも収奪に走ってしまうかも
タマゴさんの娘だけにありえますねw
次は愉快な仲間との出会い編ですね 楽しみです^^

No title

ダークさん^-^

お付き合いありがとうございました^-^
そして……ご安心ください。こばとは永遠のちびっ子ですww
いやはや、なんとなくノリで初めてみたものの……だいぶ長くなってしまった(それでも色々と端折ったのですが^-^:)。ですが、自分で書いておきながら、益々この子達が愛おしくなってしまった私ってどうなのよwwと自分でつっこんでみたりして^-^:
で……ここからは心の声ですが……、

【せっかくだからダークさんとアルセウスさんの出会いのエピソードなんかも聞いてみたいな^-^ 四話完結でww】

などと無茶振りしてみたりww

クーアさん^-^

続きは……しばらくお休みですッ!!
一日のゲームを出来る時間がガチで半分以上なくなるッww
いや、でも次のネタはすでに考えてあるのですが……もうちょっとタイミングが訪れないとコチラは書けないのでしばしお待ちを^-^
というか、この企画自体アリなのでしょうか? 書いててそこが一番の不安でったりしてww

No title

ここまで、しっかりと物語を作り込んでくるとはさすがです!
思いっきり楽しませて頂きました~^^
タマゴさん、かっこいい~~

それにしても、タマゴさんの心の穴とは…

No title

楽しんでいただけたようなら幸いです^^
基本、ノリだけで突っ走ってみましたが、まぁ、素人の出来としてはこんなモノかと^-^:
本音を言えば、もっとSSを使いたかったのですが、こばとでは入れない奥地ばかりだし、移動も大変でww
またSSを撮り溜めつつ、次回があればまた^-^ノ


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タマゴ

Author:タマゴ
活動場所 B鯖 ヴェネチア
所属商会 ★たまご倶楽部★

冒険&収奪メインで航海中。最近は出番がめっきり少なくなってますww

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